kes労働衛生レポート
有害物質の基準値『臭いと有害性で大きく異なる』
有害物質を使用している作業者が、臭いがするとのことで人体への悪影響を心配する例がよくあります。
有害物質の臭いと人体への悪影響(有害性)とは、直接的な関係はありません。例えば、有害性の目安となる許容濃度の1/100以下のレベルであっても、悪臭上問題となる物質があり、また逆に、まったく臭いがないのに人体への悪影響がある物質があります。悪臭物質の規制基準(悪臭防止法:三重県告示)と許容濃度(日本産業衛生学会、米国ACGIH)の対比を示しました。
労働衛生法令での有害物質の基準値は、健康障害の防止を目的としたものであり、職場環境についても生活環境(悪臭防止法)と同様、悪臭の防止(快適職場づくり)の観点からの取り組みが望まれます。