kes労働衛生レポート
目に見えない高濃度の粉じん発生事例
ジンクプライマー塗装鋼板のガス切断作業者から『頭が痛い、体がだるい、咳が出る、味がおかしい』などの訴えがあり、当社で調査したところ、高濃度の亜鉛ヒューム等に曝露されていることが明らかとなりました。
しかし、ガス切断作業時の作業場の空気は澄んで見え、金属ヒューム等の発生を目で確認することはできませんでした。金属ヒューム等の微細な粒子は直接目で見ることはできず、粒子による光の散乱光を介して間接的に見ています。
光散乱式デジタル粉じん計を用いて測定した代表的な吸入性粉じんの質量濃度変換係数(平均値)を示しました。
上記ガス切断作業場で発生していた粉じんは、他の粉じんと比べ、質量濃度変換係数が著しく高い(同一散乱光あたりの吸入性粉じん濃度が著しく高い)ため、高濃度にもかかわらず、その発生を眼で確認することができませんでした。