kes労働衛生レポート
調査事例:樹脂射出成型〔ホルムアルデヒドの発生〕
A事業所およびB事業所では、ペレット状のポリアセタール系の原料を射出成形機で成型する作業を行っています。射出成型機には、いずれも局所排気装置が設置されていません。
ポリアセタールはホルムアルデヒドの重合体であり、ポリアセタールを熱加工する際に樹脂が熱分解(解重合)され、発生したホルムアルデヒドが作業場に発散することが想定されたため、ホルムアルデヒドの作業環境測定を実施しました。
この測定結果を示しました。5単位作業場所での測定結果は、第2管理区分が1件、第3管理区分が4件でした。ホルムアルデヒドはヒトに対し発がん性がある物質であり、二次的なホルムアルデヒドの発生が想定される作業場では、ホルムアルデヒドの発生の有無を測定により確認し、発生を認めた場合は、特定化学物質障害予防規則で定めるホルムアルデヒドのガスが発散する屋内作業場に対する措置を講じる必要があります。