kes労働衛生レポート
調査事例:軟質ウレタン加熱溶着作業者〔咳など〕
A社では、軟質ウレタンフォームの切断面を接着剤(有機溶剤含有)により処理を行っていましたが、法令による規制および有害性の観点から加熱溶着処理法に変更したところ、作業者から咳きが出る等の訴えがあり、当社で原因を調査しました。なお、予備調査の時点では局所排気は行われておらず作業場が煙っている状態でしたが、測定の時点では局所排気が行われており、当該作業者の咳きが出るなどの症状は解消されていました。
調査結果を示しました。発生源(局所排気装置フード内)でイソシアネート(トリレンジイソシアネートとして0.159ppm)およびホルムアルデヒド(3.3ppm)が高濃度で検出されました。作業者位置では局所排気が効果的に行われておりイソシアネートおよびホルムアルデヒドは検出されませんでした。この調査結果から、ウレタン樹脂の熱分解により生成したイソシアネートおよびホルムアルデヒドが作業者の咳がでる等の自覚症状の原因物質であると考えられました。