kes労働衛生レポート
調査事例:尿の濃淡の補正〔尿中有機溶剤〕
馬尿酸およびメチル馬尿酸は、クレアチニン同様、糸球体からろ過によって排泄され、尿細管での再吸収を伴わないためクレアチニン法により尿の濃淡を補正することにより、尿中代謝物の濃度と当該有機溶剤の個人ばく露濃度との相関性が向上します。一方、血液から尿中に拡散によって排泄される未変化の有機溶剤(メチルエチルケン、イソプロピルアルコール、メチルイソブチルケトン)では、クレアチニン法により尿の濃淡を補正することにより、尿中未変化の有機溶剤の濃度と当該有機溶剤の個人ばく露濃度との相関性が低下します。尿中の未変化の有機溶剤については、尿の濃淡の補正は必要ありません。