kes労働衛生レポート
調査事例:脱脂洗浄作業者〔メンテナンス時のばく露〕
A社でのトリクロルエチレンによる脱脂洗浄作業者(89名)の尿中総三塩化物濃度は、異常に高い値(440mg/l)の1名を除き10~150mg/lの範囲内でした。
非ばく露者の尿中総三塩化物は存在せず(濃度ゼロ)、各作業者ともトリクロルエチレンに明らかにばく露されています。この中で異常に高い値(440mg/l)の作業者について調査したところ、洗浄設備のメンテナンス作業時に高濃度のばく露を受けたことが明らかとなりました。このように、検査値の分布からの異常値に着目することによって、非定常的作業でのばく露などの有用な情報が得られることがあります。