kes労働衛生レポート
調査事例:硬質ウレタン切断作業者〔咳など〕
A社では、硬質ウレタンフォーム成型品の切断作業を行っている作業者から咳きがでるなどの訴えがあり、当社で原因を調査しました。
切断機には除じん装置が付設された局所排気装置が設置されていましたが、屋内に排気されていました。調査結果を示しました。除じん装置の排気口でイソシアネート(メチレンビスフェニルイソシアネートとして0.003~0.006ppm)およびホルムアルデヒド(0.32~0.63ppm)が検出されました。ま
た、局排効果が不十分なため発生源(切断機)付近でも同様に検出されました。なお、測定当日、臭いはするが発煙はほとんど見られない状態であり、切断機の切断刃の切れが悪く発煙が生じる様な状態下では、さらに高濃度となることが考えられました。
この調査結果から、切断時の摩擦熱によりウレタン樹脂が熱分解され、この熱分解により生成したイソシアネートおよびホルムアルデヒドが作業者の咳がでる等の自覚症状の原因物質であると考えられました。